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     「繰り返し書く」という覚え方を使うことと学業成績の間には、ほとんど関係がない。

     これは「繰り返し書く」ことが役に立たないというよりも、成績の良い者もそうでないものも誰もが使うユニバーサルな方法だからだ。

     日本の高校生を対象に英単語の覚え方を調べた研究*1によると、「繰り返し書く」やり方については、ほとんどの者が使っていた。そして、それ以外の方法を使う者はわずかだった。

    *1 Okada, J. (2006). Vocabulary Learning Strategies for Japanese High School EFL Students.

     〈それ以外のやり方〉、例えば精緻化ストラテジー(語呂合わせやイメージ法が含まれる)や体制化ストラテジー(まとめなおす、接頭語・接尾語で単語を覚えるなどが含まれる)、さらに言うとメタ認知的ストラテジー(学習方法を工夫したり、学習計画を立てる)までも、短期的な記憶改善をもたらすだけでなく、それらを用いることと学業成績には、有意な相関関係があることが分かっている*2 *3。

    *2 Pintrich,P.R.,Smith,D.A.F.,Garcia,T.,&Mckeachie,W.J. 1993.Reliability and predictive validity of the
    Motivated Strategies for Learning Questionnaire(MSLQ). Educational and Psychological Measurement.
    53, pp.801-813.
    *3 Wolters,C.A. 1998.Self-regulated learning and college students’ regulation of motivation. Journal of
    Educational Psychology. 90, pp.224-235.



     単に相関関係があるだけでは、やり方が成績を上げるのか、成績がいいからやり方にまで気を回せるのか、あるいはアタマがいいから成績もいいし、いろんなやり方を使ったりするのかはっきりしない。
     しかし精緻化ストラテジーや体制化ストラテジーを教師が上から教えることでも成績が上がるという研究*4があるのをみると、〈やり方が成績を上げる〉と思ってもよさそうである。

    *4 下地・丸山(2009).「英単語教育における高校生の学習方略の導入に関する研究」『茨城大学教育実践研究』28, 153-165.


     勉強が苦手な人は、そもそも勉強に「やり方」があるという意識が薄い。

     あるいは、勉強することには決った「やり方」があるのであって、自分で「やり方」を探したり選んだり作り変えたり工夫するようなものでないと思い込んでいることが少なくない。

     しかし実際は、同じやり方ですら、人から強いられるよりも、自分で選んだ方がうまくいく。


     普段は分量の問題もあって、ひとつのやり方について書くことが多いけれど、
     「覚え方を自分で選ぶ」というメタ認知ストラテジーを駆使してもらう機会となるよう〈覚え方のカタログ〉を用意してみた。

     こうしたリストは不完全に終わるよう運命付けられているが、見た人が〈抜けているから自分で追加する〉というのがむしろ本望である。



    リハーサル  繰り返すこと

    1.何度も唱える
     音韻ループの容量は2秒間(2秒で言えるものなら唱えられる)
     70回暗唱(『話せる英文法』で推奨される基本例文の覚え方)


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    2.何度も書く
     汎用性高く、最も広く使われる記憶法。
     短所:自己修正できないと繰り返すうちに間違いが蓄積されることも。

    3.繰り返し唱えながら書く
     10回音読3回筆写×3ターン繰り返して本一冊を覚える(『絶対音読』で推奨される覚え方)


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    4.リコール・プロセス"正解を隠して思い出し、すぐに確認することを繰り返す。
     単語カードや見え消しマーカーをつかった方法もこれにあたる。
     長所:間違いが蓄積される欠点がない。アウトプット重視で、覚えたつもりで出てこない、といったことがない。
     短所:長い単語など、一度に処理できないものは覚えにくい。

    サフメッズ(SAFMEDS)法
     Say All Fast Minute EveryDay Suffleの略。
     カードの表に問題、裏に正解を書いて、毎日1分間、シャッフルしてから、できるだけ速く答える。
     1分間で何枚のカードを言えたか記録してグラフにする。1日何回やってもいい。
     1週間で2~3倍の速度になる。流暢に引き出せる知識は、忘れにくく、応用されやすい。
     専門書を読む前に重要用語をこれで叩き込んでおくのにも使う。

    5.スペースド・リハーサル
     復習までの間隔を次第に広げて繰り返す方が定着率が高い。

    復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる 読書猿Classic: between / beyond readers 復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加

    ※パソコンを使える人は、Ankiという無料ソフトがオススメ。次の記事を参照。

    決して後退しない学習ーAnkiを使うとどうして一生忘れないのか? 読書猿Classic: between / beyond readers 決して後退しない学習ーAnkiを使うとどうして一生忘れないのか? 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加




    6.DWM(Day-Week-Month)法
     1日前、1週間前、1か月前に覚えたものを復習する

    7.35ミニッツモジュール
     新規事項を覚える(20分間)→4分休憩→1日前、1週間前、1か月前の復習(各2分)→今日の復習(5分)

    8.ショート・スペースド・リハーサル
     聞いてから(見てから)4秒後、8秒後、16秒後、32秒後と、間隔を次第に広げて復唱する。
     リハーサルからホールド法に橋渡し。
     繰り返すうちに、次までの感覚が広がり、短期記憶の限界を越えて保持することになる。

    9.セルフ・テスト
     自分で作ったテストを、自分で解く。
     効果は高いが、自分でテストをつくる実力と時間が必要。

    10.反復ドリル
     単純な問題を繰り返し解く
     長所:間違いや記憶の不確かな部分を発見し修正することで覚えていく。記憶の精度や想起の速度など高めるのに良い
     短所:退屈。正答率が上がっていくとモチベーションが下がる。

    11.LowFirst法
     誤答率の高いものから順に復習する
     改良LowFirst法では誤答率が基準(10%程度)を下回った項目は復習対象から外すことで復習効率を上げている
     長所:記憶のしにくさを加味したスペースド・リハーサルになるので復習効率が高い(元々、スペースド・リハーサルが何故有効かを研究する中から生まれた技法)


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    12.ホールド法短期記憶の限界(15~30秒)を越えて保持することで、長期記憶に送り込む
     15-30秒あけて唱える:文字を見てすぐ読み上げるのでなく、15~30秒頭で保持してから何も見ずに復唱する
     15-30秒あけて書く:文字を見てすぐ書き写すのでなく、15~30秒頭で保持してから何も見ずに書写する
     15-30秒あけてシャドウイング:音声を聞いてすぐ唱えるのでなく、15~30秒頭で保持してから何も見ずに復唱する
     15-30秒あけてディクテーション:音声を聞いてすぐ唱えるのでなく、15~30秒頭で保持してから何も見ずに書き出す

    15秒で訓練なしにできる記憶力を倍増させる方法 読書猿Classic: between / beyond readers 15秒で訓練なしにできる記憶力を倍増させる方法 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加



    精緻化 記憶したい情報を連想的・意味的に関連づけ長期記憶に情報を送り込む

    13.イメージ法
     記憶したい情報をイメージ化する
     イメージ記憶は大容量。Shepard(1967)によれば、100万枚の写真、短期では986,300枚(98%強!)、1年後でも731,400枚(73%)を記憶できた。
     二重コーディング仮説:イメージについて覚えるとき、イメージ内容を自分に説明しながら覚える→イメージでコード化、言語でもコード化→だからよく覚えられて思い出しやすい。

    14.連想法
     記憶したい情報から連想するものと結びつける。

    15.語呂合わせ
     無意味な数字(年号など)を意味のある文章に変換して覚える。
    (例)「1192年→いい国作ろう鎌倉幕府」「ルート3=1.7320508人並みにおごれや」
     日本語は音素が比較的少ないので、語呂合わせは作りやすいとされる
     うまい語呂合わせをつくるのは結構むずかしい。そのため「名作」は継承される(医学系など)。

    16.キーワード法
     発音の似た母語をつかって意味とイメージを結びつける
     例)「死ぬほどダイ(die)好き」
    ・発音の結びつき→大好きの「だい」とdie
    ・意味の結びつき→「死ぬ」と「大好き」
    ・イメージの結びつき→見知った恋多き子が「死ぬほどダイ(die)好き」と言っている光景を思い浮かべる
     長所:音と意味の連想法とイメージ法による幾重ねの精緻化のため効果が高い。外国語の単語を記憶するには最強のものの一つ。
     短所:うまく結びつく母語をみつけるのが大変。外国語を覚える場合は発音の不正確になる危険。

    17.ライム(韻)法
     韻(ライム)を踏んで覚える。語呂合わせが難しい、音素の多い言語で使われる。

    18.Vocabulary Cartoon
     韻(ライム)が似た語とイラストと例文を合わせた自国語内キーワード法に基づいてつくられた本。
     長所:キーワード法の利点を生かし、欠点を克服している。母語内なので発音の不正確さは縮小し、既製品なので自分で語を見つける手間もいらない。単語についてはこれが多分最強の覚え方。
     短所:イラスト、例文を載せるため1ページに1語のレイアウトとなって収録語数が少ない。自国語内の学習者を対象とした本なので、外国語として学ぶ者は記憶の手がかりになる方の語も知らないことも。


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    19.マイ・ポエム法(自己関与文)
     自分に関係した記憶は定着しやすい。

    20.物語法
     記憶したいものをストーリー仕立てにする。
     神話、伝承などに見られる、人類にとって最も古い記憶法の一つ。

    21.頭文字法
     例)五大湖→HOMES(Huron, Ontario, Michigan, Erie, Superiorの頭文字)
     例)独学のプロセス→MASTER=Mindset, Acquire material, Sense-making, Trigger of Memory, Exhibit, Review
    22.歌唱法
     物語法と並ぶ、最も古い記憶法
     例)ポリネシアの歌う海図(夜間に航海するため、星座の位置と島の位置が歌に織り込まれている)
     例)古代ギリシアのスパルタでは法律は書かれたものでなく、歌うものだった


    23.Jazz Chants
     ジャズに合わせて、同じような文句を繰り返しリズムにのって口ずさむうちに、英語の調子と英文が身に付くというもの。

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    ニーモニクス(記憶術)
     古代ギリシアの時代から弁論術の伝統の中で用いられて来たもの。
     基本は記憶したい情報をイメージ化し結びつけること。精緻化の一種と考えられる。
     効果は高いが複雑なものになるほど訓練が必要となる。

    いかにして忘れられないイメージを作り上げるか/記憶術やや詳しい目その2 読書猿Classic: between / beyond readers いかにして忘れられないイメージを作り上げるか/記憶術やや詳しい目その2 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加


    24.ペア法
     二つのものをイメージして結びつける。新奇なイメージの方が効果的。

    Pairシステムで単語を覚える/記憶術やや詳しい目その3 読書猿Classic: between / beyond readers Pairシステムで単語を覚える/記憶術やや詳しい目その3 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加


    25.リンク法
     ペア法を数珠繋ぎにして使用する。たとえばABCDE……といったものを覚える場合、AとBをまず結びつけて覚え、次にBとCを、その次にCとDを……といった風に、数珠つなぎにして覚えていく。
     長所:記憶したいもの自体が次々とイメージを結びつけるものになるので、空間法やペグ法のような事前準備が不要
     短所:リンクをたどって思い出すことになるので、順不同で呼び出したいものの記憶には向かない。

    Linkシステムで数珠つなぎに覚える/記憶術やや詳しい目その4 読書猿Classic: between / beyond readers Linkシステムで数珠つなぎに覚える/記憶術やや詳しい目その4 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加



    26.場所法
     よく使う通りやよく行く場所、自分の部屋(にある家具)など熟知したものを手がかりに、記憶したい事項を結びつけて記憶する。記憶したいものを場所・位置情報と結びつけるため効果が高い。
     ルリアが報告した記憶術者Sもこの方法を使用している。

    最強の記憶術Lociシステムで「記憶の宮殿」を構築する/記憶術やや詳しい目その5 読書猿Classic: between / beyond readers 最強の記憶術Lociシステムで「記憶の宮殿」を構築する/記憶術やや詳しい目その5 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加


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     長所:記憶したい情報と場所が一対一対応しているので、リンク法と違い、ある程度の順不同でも思い出せる"
     短所:結びつけるための場所を用意しておくことが必要。

    27.手指法
     記憶したいものを手の指に結び付けてイメージする。
     指の数以下の項目についてしか使えないが、メモが取れない場合など、とっさの場合に役に立つ。

    28.身体法
     記憶したいものを、頭頂、額、まゆ、目……と、体の各部分に結びつけてイメージする。
     手の指よりを多くのものを結びつけることができるが、あらかじめどの場所を使うか決めておき、慣れておく必要がある。

    29.時計法
     アナログ時計の数字の上に記憶したいものを置いたイメージをつくる。

    30.マイルーム法
     自分が普段いる場所に記憶したいものを置いたイメージをつくる。これもあらかじめどの場所を使うか決めておき、慣れておく必要がある。

    31.トリップ法
     通学・通勤経路に記憶したいものを置いたイメージをつくる。
     通る駅、バス停などを使うことが多い。

    32.ミュージアム法
     博物館や美術館の展示に、記憶したいものを結びつける。
     長所:大規模で著名作品が多い美術館・博物館を使えるなら、相当の量の記憶が可能。
     短所:あらかじめ記憶に使う美術館・博物館を選んで通い、展示内容と空間配置を熟知しておく必要がある。

    33.鉤語(ペグ)法
     〈場所〉のかわりに、記憶したいものを結びつける「かけくぎ(ペグ)」を用意しておく方法。あらかじめ、かけくぎ(ペグ)を準備しておき、すぐに呼び出せるよう記憶しておくことが必要になる。
     長所:ペグを数字と対応してつくるので、任意の何番目のアイテムを思い出すということも可能。
     短所:あらかじめペグを作っておく必要がある。現実のニーズでは1種類のものを大量に覚えることよりも、少量だが多種類のものを覚えることが多い。同じペグを異なる系列につかうと混乱しやすいが、何種類ものペグを用意する必要が出てくる。

    近代記憶術Pegシステムで1冊を格納し自在に引き出す/記憶術やや詳しい目その6 読書猿Classic: between / beyond readers 近代記憶術Pegシステムで1冊を格納し自在に引き出す/記憶術やや詳しい目その6 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加

    音韻ペグの例
    1→one→sun,fun,gun,nun/2→two→shoe,Jew/3→three→tree,bee,key,tea/4→four→door,core/5→five→live/6→six→sticks/7→seven→heaven/8→eight→gate,date,fate,mate/9→nine→line,sign,pine,wine/10→ten→pen,men,hen
    形態ペグの例
    1→鉛筆、煙突/2→アヒル/3→耳、唇/4→ヨット/5→鍵/6→さくらんぼ/7→がけ、鎌/8→だるま/9→オタマジャクシ/0→卵

    34.フォネティック法
     伝統的記憶術の最も洗練された/最も訓練を必要とする方法。
     ルールに基づいて組織的に何種類でもペグを作り出すことでペグ法の欠点を解消する。
     長所:作り出されるペグは数字に基づいているため順序が自動的に決まるので、あらかじめ必要なペグを用意しなければならないペグ法の欠点が克服されている
     短所:いつでも作れるとはいうものの、数字に対応して、なおかつイメージしやすく記憶術に使いやすいペグをつくるには訓練が必要"

    究極の記憶術Phoneticシステムで大容量記憶にランダム・アクセスする 読書猿Classic: between / beyond readers 究極の記憶術Phoneticシステムで大容量記憶にランダム・アクセスする 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加

    数字子音置換法
    0→s,c(サ行の音),z/1→t,d,th/2→n/3→m/4→r/5→l/6→sh,ch,j,g(ヂャ行の音)/7→k,c(カ行の音),g(ガ行の音),ng/8→f,v/9→p,bこれ以外のアルファベット(母音字は任意に使えるので、同じ数字に対応する無数のペグをつくることができる)

    数字仮名置換法
    1→あ行/2→か行/3→さ行/4→た行/5→な行/6→は行/7→ま行/8→や行/9→ら行/0わ、ぱ行
    それぞれの行の文字はすべて使えるので、同じ数字に対応する無数のペグをつくることができる

    35.フォネティック・マップ人工的なペグを組み合わせて(例10×10=100マスの)マトリクスをつくり、空間配置や地図を記憶したり、大量のものを覚えるのに使う。


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    36.ドミニック法
     マインドマップのトニー・ブザンが主催した世界記憶力大会でチャンピオンになったドミニク・オブライエンの方法。


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     ペグをつくるのに、数字をアルファベットに変換し(1→A、2→B、3→C、4→D、5→E、6→S、7→G、8→H、9→N、0→O)、そのアルファベットのイニシャルをもつ人物の顔に結びつける。つまり二桁の数字を人物の映像と結びつけたものを用意して、これをペグに使うもの。

    (例)27→BG→Bill Gates→billgates.jpg



     長所:人の顔は最もよく記憶されるものであるので、ペグとしては使いやすい。
     短所:イニシャルが異なり自分がイメージしやすい100人をあらかじめ選んで、すぐに使えるように用意(記憶)しておく必要がある。

    37.ドミニック・ホテル法
     ドミニック・キーを組み合わせてフォネティック・マップ法を行う。
     100×100=10000個の記憶の部屋をつくる事になる。


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    体制化 関連する情報をまとめ、整理して覚える


    38.グルーピング
     覚えたいものを分類し、まとめ直すことで覚える。
     〈勉強〉の原イメージ。

    39.接頭語、接尾語、語幹で覚える

    英語の接頭語(辞)もまとめてみた 読書猿Classic: between / beyond readers 英語の接頭語(辞)もまとめてみた 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加

    英語の接尾語(辞)をまとめてみた 読書猿Classic: between / beyond readers 英語の接尾語(辞)をまとめてみた 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加


    40.語源で覚える


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    41.コーネル大学式ノート
     1ページを3つの欄(本文欄、見出し・コメント欄、要約欄)に区切る。見出し・コメント欄、要約欄を使って復習する。

    Cornell Note PDF Geneator


    42.コンデンス・ノート
     濃縮したノート。テスト範囲を1枚にまとめたもの等。
     カンニングのために小さなメモにまとめると、自然に覚えるのもこれ。


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    43.メモリーツリー
     テーマを幹にして、関連項目を枝葉に書いていく。
     知識は互いにつながりあって記憶され、つながりをたどることで検索され想起されることを活用。

    44.マインドマップ
     メモリーツリーの元になった技法。
     創案者のトニー・ブザンは、伝統的な記憶術の本を書いたり、記憶力大会World Memory Championshipsを主催している。


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    45.コンセプトマップ(概念地図)
     概念間の関係を示した図。


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     知識は、脳内の宣言的記憶の上で動作する産物(チャンク、命題)として格納されており、概念地図は宣言的記憶システムの構成を反映するよう構築されているため、有意味学習が容易になる。
     ひとつの主題について放射状に広がるマインドマップに対して、コンセプトマップは概念間の関係を表すことを重視するため、中心が複数存在したり互いに連結されない概念群があってもかまわない。



    46.文章を読んで単語を覚える
     文脈から単語の意味を類推することを通じて記憶する。
     インプットの効率は悪い(異なる文脈(文章)で10回以上出会うことが必要)が、忘れにくい。



    社会的方略 
    効果は高いが、相手が必要。勉強は一人でするものといった文化のためか用いられることが少ない。

    47.交換テスト
     相手が作ったテストを自分が、自分が作ったテストを相手がやる。セルフテストより効果が高い。

    48.相互教授法
     二人で話し合いながら「予測する」「質問をつくる」「要約する」「明確化する」という4つの方略を使って文章を理解していく(テストで聞かれそうな質問を生徒自身が構成する、その物語で何が起こるのかを予測するなど)。

    49.ロールプレイング
     複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法。

    50.ジグソー法
     1つの長い文章を、人数分(例えば3つ)の部分に切って、それぞれを1人ずつが受け持って勉強する。それらを持ち寄って互いに自分が勉強したところを紹介しあって、ジグソーパズルを解くように全体像を協力して浮かび上がらせる学習法。



    記憶のためのマインドセット

    51.感情と結びつける
     ポジティブな感情でもネガティブな感情でも
     恐怖と結び付いた記憶は、動物にとって生き残るのに必要だから

    52.Early Learning Set"
     文字、自転車、九九など、はじめて学んだの記憶を呼び覚まし、〈初めて学んだ状態〉に自分をセットする。

    53.極限状態に身を置く
     人間が最もよく学習するのは、自分の持っている知識がまったく役に立たなくなった状況。
    (例)医局に入ったばかりのインターン・レジデント、部族社会の通過儀礼、カルトの洗脳手法など"


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     スラヴォイ・ジジェクが好んで使う「ポーランド人とユダヤ人」というエスニック・ジョークがある。
     

     ポーランド人はユダヤ人に金持ちになる秘訣を聞き出そうとする。
     ユダヤ人はもったいつけて、しかしいくらかの金を出せば教えないでもないと言い、ポーランド人はいくらかを支払う。
     ユダヤ人はうだうだ中身のないことを語りだしては途中で話を打切り、これ以上聞きたいなら更に払えと促す。
     ポーランド人はまた金を払い、ユダヤ人はまたうだうだ話して打切り、更に払えと……というのを繰り返す。
     とうとうポーランド人は怒り出し、お前の魂胆が分かった、うだうだ中身のない話をして俺から金を騙し取ろうというのだろうと、ユダヤ人を責め始める。
     ユダヤ人はうなずいて曰く、やれやれ、やっとわかったかね、金持ちになる秘訣がどんなものか。
     

     大きなお世話だが、自己啓発本や情報商材にうってつけの小話である。
     
     ポーランド人は、自分が知りたい〈秘訣〉なるものが、ユダヤ人の(これから話されることの)中にある、と思い込んでいる。
     しかしユダヤ人は〈秘訣〉については語らず、(中身のない話を)語るそのことによって〈秘訣〉を実践してみせる。

     ユダヤ人の語りが力を発揮するのは、ポーランド人が〈秘訣〉を知りたいと働きかけるからこそである。
     つまりユダヤ人の〈秘訣〉の力の源泉は、〈秘訣〉を知りたいというポーランド人の欲望にこそある。



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     うろ覚えでなく、半可通でなく、物事をマスターするには徹底して繰り返すことだ。
     繰り返しが、素早く正確に処理する力を培う。

     だが、そんなことは誰だって分かっている。
     
     繰り返しは飽きる。やる気が出ない。一度やったことはやりたくない。新しいことに手を出したい。
     これは知的好奇心と同じ源泉から出てくる心の叫びだから、むげに扱うわけにもいかない。っていうか、やりすごそうとしても、それこそしつこく再来してくる。

     ここでは、「必要だと分かっているが、繰り返すモチベーションが上がらない」という問題について問題解決してみる。
     ありがちな「問題を解く」ことを例にするが、応用は容易だろう。
     
     
    0.まずは問題を解いてみる

     ここで重要なことは時間を測ることだ。
     何分以内にやらなきゃならない、と考えるのは不要だ。
     ただタイムを計るだけなのに、モチベーションはいくらか底上げされる。
     そして後には、自分についてのデータが残る。


    1.もう一度解いてみる

     ここからが本番である。
     同じように解くのではやる気が出ないから、今度はさっきの半分の時間で解く。
     それには解き方を覚えている(と自分では覚えている)間にとりかかるのがいい。
     普通は「もう解き方は分かったし次行こう」と思うところをとらまえて、再戦する。
     同じ問題をもう一度解くことにはいろいろメリットがある。
     
     二度目なので、解けることが確実に分かっている。
     それどころか解き方のうち、少なくとも一つは分かっている。
     解けないかも知れないという心配がなく、心に余裕があるので、一度目では気付かなかったアイデアやアプローチを思いつける可能性がある。
     試行錯誤の多くの枝ははらわれ、一度目には選択肢(オプション)とならなかった域へのチャレンジも可能になる。
     
     人は自分がやった問題解決であっても、そのすべてを理解してはいない。
     二度目に解くことは、自分がつかった、しかし自分でも気付いていない隠れた知恵を発見する機会でもある。
     
     もちろん速度と正確さを高める絶好の機会でもある。
     実のところ、多くの場合、半分の時間で解くことは難しい。
     だからこそ、二度目は、同じ問題を解くにしても、まったく新たなチャレンジになる。
     したがって制限時間を越えても落ち込む必要はない。しかし悔しがるくらいの方が、そしていくらか焦ったほうが、モチベーションの低下は避けられる。そっちに気が行かなくなる。



    2.思考を実況中継しながら解く

     その次は時間制限とは別の重り(ウェイト)をつけて挑もう。
     情報を処理するための認知資源は有限である。
     今度はそれに制限をつける。

     頭を使って処理しながら、それを報告することは古くからある認知科学研究の一手法である。
     これはかなりタフな、頭の疲れる作業であることが分かっている。
     どんなことも「実況中継」できる訳ではないことも分かっている。
     
     さっきまでなら、問題を解くのに使っていた能力のかなりの部分を、今自分が何をやっているかを言語化するというタスクに回さなければならない。
     しかしこの作業は面倒で疲れるだけのものではない。

     自分の問題を解くプロセス、思考過程をメタ化する作業であることは明白だろう。
     
     改めて自分の問題解決プロセスを言語化、メタ化することは、
    自分のやっていること、できること、できないこと、
    とりわけ思考の息切れがどこで起こるか、処理能力をあふれてしまうボトルネックはどこか、自分が本当に苦手とするところはどこか、そこでは自分はどんな風にやりくりしているのか、といったことについての認識と知識を深める。
     この経験は、自動処理できる問題では大差ないが、どうやって解いていくか自分でプランニングしなければならないような難しい問題を解く能力を高めていく。
     自分の問題処理能力と注意の配分を最適化する能力が身につき、総じて問題解決能力を高めていく。
     
     言語化するのは、口頭言語をつかって、ぶつぶつ言うのでいい。
     これを録音しておく。
     聞き返すのは、最初は大変な苦痛を伴うが、苦いからこそ効力がある。
     

    3.自分に説明する
    4.誰かに説明する


     口でぶつぶついう言語化は、かなり紆余曲折して、筋道立っていないものだ。
     自分で聞き返しても混乱しそうになるくらいであり、とても分かりやすいものではない。
     
     今度はこれを〈清書〉しよう。
     自分がどう解いたかを、分かりやすくまとめ直してみる。
     
     誰か自分以外の人間相手にやるのが最も効果が高いことは言うまでもないが、相手が得られぬ場合もあるから、そちらはオプションにしておく。
     自分以外に説明する場合でも、まずはまとめ直す作業が必要だ。つまり誰かを相手にする場合も、自分相手への説明が先行する。


    5.心のなかにカンペをつくる

     さらにダメ押し。
     自分の解き方をさらに圧縮して1枚にまとめよう。
     カンニング・ペーパーをつくることを想像するとよい。
     カンニング・ペーパーなんて不道徳なものはウソでも嫌だ、という人にはコンデンス・ノートという名前がある。
     濃縮したノートという意味だ。
     
     できるだけ情報量を落としてまとめること。
     すべてを書く必要はない。
     カンニング・ペーパーがそうであるように、自分が思い出せる手がかり(トリガー)だけを抽出したものが望ましい。
     すべてを紙に書き出すことは安心して、記憶がサボろうという誘いにもなるからだ。
     
     カンニング・ペーパーができたら、それをアタマの中に転写する。
     自分で作った濃縮ノートだから、ここまでやっておけば、かなり楽に記憶できる。
     
     

    6.問題を見て、瞬間的に心のカンペを思い出す

     とどめはリコール・プロセスを使う。
     繰り返し思い出す作業を行って、素早く記憶から引き出す回路をつくる。

     理屈は、単語カードや暗記用チェックペン&シートをつかった奴と同じだ。
     何も見ずに思い出し、すぐに正解を確認する。これを繰り返す。
     
     繰り返し書く(もっともポピュラーな記憶法)と比べて優れているのは、くり返し書いているうちに筆記ミスが蓄積するということがない点、書くより速度面で有利であり、同じ時間で数多く繰り返すことができる点だ。
     
     
     ここまでくれは大抵の問題は〈鬼に金棒〉レベルに達しているだろう。
     

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