読書猿というメールマガジンがあった(本当のことをいうと今もある)。

    年数で10年を超えて、冊数で数百冊程度ではあるけれど、
    最初の頃に取り上げた本など、記憶は鮮明に見えてどこか頼りなく、
    手を伸ばせば届くかといえば、それも堆(うずたか)く積もった本を取りのけて、
    いくらかの足場を拵えることができるかにかかっているといった塩梅だ。

    虫干しのようなことを、この場所ではやろうと思う。

    何人かの方[1]{2]から提案された
    「昔紹介した本を、一冊ずつコピペするだけでもいいじゃないですか」
    という程度の軽作業なら、息切れせずやれるかと思ったのだ。

    10と数年の間に、いろんなものが変わった。たとえば世紀が変わった。
    住処も変わったし、体脂肪率も変わったし、アメリカの大統領も変わった。
    かわらないものもあるだろうけれど、それは書き進むうちに登場願おう。

    興が乗れば、何か書き足してもいいし、削ってもいい。
    そんな風にこのブログははじまった。

    多くの近しい人と見知らぬ人に感謝と、そして挨拶を。

    Reading Monkey between / beyond readers.



    (C/Wとして)

     虹は思わず微笑ひました。

    「えゝ、さうです。本たうはどんなものでも変らないものはないのです。ごらんなさい。向ふのそらはまっさをでせう。まるでいゝ孔雀石のやうです。けれども間もなくお日さまがあすこをお通りになって、山へお入りになりますと、あすこは月見草の花びらのやうになります。それも間もなくしぼんで、やがてたそがれ前の銀色と、それから星をちりばめた夜とが来ます。

     その頃、私は、どこへ行き、どこに生れてゐるでせう。又、この眼の前の、美しい丘や野原も、みな一秒ずつけづられたりくづれたりしてゐます。けれども、もしも、まことのちからが、これらの中にあらはれるときは、すべてのおとろへるもの、しわむもの、さだめないもの、はかないもの、みなかぎりないいのちです。わたくしでさへ、ただ三秒ひらめくときも、半時空にかゝるときもいつもおんなじよろこびです。」

    (宮沢賢治「めくらぶだうと虹」)
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