知的トレーニングの技術 (1982年)

    あらゆる独学者が読むべきトレーニング・ブックが、今やただみたいな値段で手に入る。この本で得られるのは、単なるお勉強のテクニックだけではない。独学者が、長年にわたるセルフ・マネジメントの積み重ねであること、そしてそのための必要な心技体のスキルから、偉大な知の巨人たちがとってきた積み重ねのスタイルまで、この1冊には独学者として生きるために必要な全てが凝縮されている。


    インターネットで文献探索 2007年版 (2007) (JLA図書館実践シリーズ 7)

    有り体に言えば、自分で文献リストが作ることができるか、人の作った文献リストを見つけることができさえすれば、(加えてまともに読書できるなら)あなたは独学者になれる。この本はネット上で実践女子大学図書館が提供している、すごぶる便利で網羅的な文献データベース・リンク集の書籍版ヴァージョン。片方を愛用しているなら、もう片方の実力も分かるはず。


    わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)

    外国語は学ぶ目的にもなり、手段にもなる。文献リストが作れるようになったら、早晩、自分の関心ごとが、とっくに日本語の枠を飛び出して、諸外国の人物や事項や文献に結びついていることが分かる。
    文庫になる前、この書には「独学で外国語を身につけようとしている人々のために」という副題がついていた。カトー・ロンブの外国語の学び方は、(シュリーマンがそうだったように)実に手作りだ。つまりは、これは「わたし」の学び方であって、思う存分参考にしてくれてかまわないが、あなたはあなたのやり方で学ぶことになる、ということなのだ。たとえば、辞書から不明な単語を拾い出して単語帳を作るやり方について、こう語る。「辞書の持つ論理性のメリットと、単語帳の持つ個性を、結合させることができます」。


    数学読本 (1) 数・式の計算・方程式 不等式
    数学読本 (2) 簡単な関数 平面図形と式 指数関数・対数関数 三角関数
    数学読本 (3) 平面上のベクトル 複素数と複素平面 空間図形 2次曲線 数列
    数学読本 (4) 数列の極限、無限級数 順列・組合せ 確率 関数の極限と微分法
    数学読本 (5) 微分法の応用・積分法・積分法の応用・行列と行列式 (数学読本)
    数学読本 (6) 行列と1次変換、数論の初歩、集合・論理

    語学としての数学。一つの言語(英語やフランス語)を習得するよりも、開ける世界は広いかもしれない。すべての自然科学とほとんどの(有力な)社会科学と将来有望な(今はまだ少数だけど)人文科学に渡る共通言語、それが数学。この6冊シリーズで、とりあえず基本構文と5000語レベルのボキャブラリーが身に付いた格好となる。まだ辞書を引き引き、ようやく原書にかじりつくことができるレベルだが、数学を回避していた時には見えもしなかった沃野が眼前に広がっているのを体験するはず。その沃野の一部は、たとえば現代 数理科学事典などでかいま見ることができる(社会科学の分野に関しては結構古くさいが/その後の発展が急だったともいえるが)。
    習得のコツはただひとつ。目ではなく、手を動かすこと。脳を通過するプロセスをできるかぎり、紙に書き出すこと。


    教養についての劣等感など考えることも無用なものだが、
    無用だ、考えるな、と言っても、一度頭の中に浮かんだ「ピンクの象」は、追い
    払えば払うほど消えない。
    「教養がない」ことに劣等感を感じているなら、ラテン語を学ぶとよい。それだ
    けで劣等感は吹っ飛び,おつりがくる。

    さてラテン語の独習だが,素材(テキスト)は,すぐれたものがかなり揃って
    る。あとは,やるだけ。時間をどれだけ投資するか,何を得て何を(その時間で
    代わりにできた何を)失うのか,その損益分析をやって,自分で決めて実行する
    だけである。

    独習者のための楽しく学ぶラテン語

    「強い気持ち」を持つ人には、この一冊で決まりである。ここでいう「楽しさ」は慰
    安や娯楽がもたらすものとは対極にあるが、一生ものである。


    発奮剤としては、同じ著者による濃厚な次の新書も有効。
    ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産 (中公新書)

    もうすこし洒脱なものでは、

    ラテン語のはなし―通読できるラテン語文法

    がある。ラテン語とその文法をさわりを味わえる。文法を一通り学んでから再読
    すれば、さらに味わいは深くなる。

    はじめてのラテン語 (講談社現代新書)

    わからないところは飛ばしながらでいいから、1冊目はこの本を通しで読んで
    から、というのは無理がないやり方だと思う。
    ラテン語の学習に「挫折」したら、この本に帰ってこよう。


    (当分の間、編集中)
    『知的トレーニングの技術』(1982年)だけれど、あっという間にアマゾン・マーケット・プレイスの在庫が消えたらしく、残った一冊は16000円なんて値がついていた。夏休み、おそるべし。

    『知的トレーニングの技術』なんて、文庫で復刊すりゃいいのにね。

    謎の独学指南 花村 太郎氏の正体は、読書猿123号にも書いたけれど、長沼 行太郎氏なので、たとえば『思考のための文章読本』(ちくま新書)なんかで手を打つ方略もある。

    思考のための文章読本 (ちくま新書)思考のための文章読本 (ちくま新書)
    (1998/04)
    長沼 行太郎

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