スッタニパータを読んだ人は、必ずや最初の章(蛇の章)の「犀の角」のところで、けつまずくだろう。

    75回におよぶ強力なリフレイン(でも岩波文庫だとたった5頁)。
    内容もさることながら、このグルーヴ感は圧倒的。

    全文紹介したいが、ちょっとめんどくさい。

    でも、すこしだけ。




    1 一切の生き物に対して暴力を加えることなく、
      一切の生き物のいずれをも悩ますことなく、
      また子女を欲するなかれ。
      いわんや朋友(ほうゆう)をや。
      犀の角のようにただ独り歩め。

    ……

    43 四方のどこにでもおもむき、
       害心あることなく、
       何でも得たもので満足し、
       諸々の苦難に堪えて、
       恐怖することなく、
       犀の角のようにただ独り歩め。

    ……

    48 金の細工人がみごとに仕上げた
       二つの輝く黄金(おうごん)の腕輪(うでわ)を、
       一つの腕にはめれば、ぶつかり合う。それを見て、
       犀の角のようにただ独り歩め。

    ……

    57 義ならざるものを見て邪曲にとらわれている
       悪い朋友を避けよ。
       貪りに耽って怠惰な人に、みずから親しむな。
       犀の角のようにただ独り歩め。

    58 学識ゆたかで真理をわきまえ、
       高邁・明敏な友と交われ。
       いろいろとためになることがらを知り、
       疑惑を除き去って、
       犀の角のようにただ独り歩め。

    ……

    62 水の中の魚が網(あみ)を破るように、
       また火がすでに焼いたところに戻ってこないように、
       諸々の結び目を破り去って、
       犀の角のようにただ独り歩め。

    ……

    67 以前に経験した楽しみと苦しみとを擲(なげう)ち、
       また快(こころよ)さと憂(うれ)いとを擲って、
       清らかな平静と安(やす)らいとを得て、
       犀の角のようにただ独り歩め。

    ……

    71 音声に驚かない獅子のように、
       網にとらえられない風のように、
       水に汚されない蓮のように、
       犀の角のようにただ独り歩め。

    ……

    73 慈しみと平静とあわれみと解脱と喜びとを
       時に応じて修め、
       一切世間に背くことなく、
       犀の角のようにただ独り歩め。




    (第一 蛇の章、三 犀の角〔第三五詩~第七五詩〕、中村元訳『ブッダのことば:スッタニパータ』(岩波文庫)、岩波書店、1984年、pp. 17-)



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