複数の選択肢から正解(もしくは間違い)を答えさせる問題は、入学試験から資格試験まで、いろんなところで出会います。

     十分に勉強できてない場合、いや全く勉強してない場合でも、なんとかする方法があります。

     ポイントは
    選択肢の中にかならず選ぶべき正解(間違い)がある
    ことに注目することです。
     問題を作る立場に立ってみると、
    選択肢問題を作ることとは、「ひとつの正解を、他のひっかかりそうな間違いで隠すこと」なのです。

     では、「ひっかかりそうな間違い」とは何でしょうか?

     なぜ「ひっかかりそう」になるのでしょうか? それは、(部分的に)正解と同じか似ているからです。

     今、仮に「ああああいいいいうううう」という正解があったとします。

     出題者はこの正解を隠すために、正解と部分的に異なる選択肢を用意します。例えばこんな風に
    「ああああええええうううう」……「いいいい」部分を取り替え
    「ああああいいいいおおおお」……「うううう」部分を取り替え
    「かかかかいいいいうううう」……「ああああ」部分を取り替え
    「ああああいいいいううううええええ」……「ええええ」部分を追加

     選択肢にすると、こんな感じです。
    1)「かかかかいいいいうううう」
    2)「ああああいいいいうううう」
    3)「ああああいいいいおおおお」
    4)「ああああいいいいううううええええ」
    5)「ああああええええうううう」

     ここから「正解」を、選択するのではなく、「再生」することができます。
     今の選択肢づくりの逆回しをやるのです。

     正解に含まれる「部分」は、ひっかかりそうな選択肢を作るためにも、使用されます。
    つまり頻出する「部分」を、合成したモノが「正解」である(可能性が高い)、という訳です。

     それぞれの部分について、登場回数をカウントします。

    「ああああ」……2)と3)と4)と5)に登場……4回
    「いいいい」……1)と2)と3)と4)に登場……4回
    「うううう」……1)と2)と4)と5)に登場……4回
    「ええええ」……4)と5)に登場      ……2回
    「おおおお」……3)に登場         ……1回
    「かかかか」……1)に登場         ……1回

    テストでは、問題用紙の選択肢の部分に数字を書き込んでいきます。
         1   4   4
    1)「かかかかいいいいうううう」
         4   4   4
    2)「ああああいいいいうううう」
         4   4   1
    3)「ああああいいいいおおおお」
         4   4   4   1
    4)「ああああいいいいううううええええ」
         4   1   4
    5)「ああああええええうううう」


     登場回数の多い部分でできている2)が正解です。登場回数の平均をとって一番多いものです。
     付け加えがある4)は間違いです。

     ○と×の組み合わせを選ぶ問題、部分の数が等しい選択肢同士なら、単純に登場回数を足し合わせて多い方が正解です(平均を取る必要はありません)。


    (実例)

    平成21年度センター試験(国語)を例にとってみましょう。
    (問題)http://www.dnc.ac.jp/center_exam/21exam/mondai_pdf/21kokugo_q.pdf
    (解答)http://www.dnc.ac.jp/center_exam/21exam/seikai_pdf/21kokugo_a.pdf

    問2の選択肢のみ抜き出します。

    (1)「複数オニ」や「陣オニ」は、子どもたちがいくつもの役割を相互に演じ遊ぶ点で、従来の隠れん坊の枠を超えた、人生の行程が凝縮して経験される過酷な身体ゲームになってしまっているということ。
    (2)「複数オニ」や「陣オニ」は、オニに捕まった者も助かる契機が与えられている点で、従来の隠れん坊にはなかった、擬似的な死の世界から蘇生する象徴的意味を内包してしまっているということ。
    (3)「複数オニ」や「陣オニ」は、オニも隠れたものも仲間のもとに戻ることが想定されていない点で、従来の隠れん坊の本質であった、社会から離脱し復帰する要素を完全に欠いてしまっているということ。
    (4)「複数オニ」や「陣オニ」は、子どもたちの自由を制限するさまざまなルールが付加されている点で、従来の隠れん坊とは異質な、管理社会のコスモロジーに主導された遊びに変質してしまっているということ。
    (5)「複数オニ」や「陣オニ」は、隠れた者も途中でオニに転じることになっている点で、従来の隠れん坊の本義であった、相互の役割を守りつつ競い合う精神からは逸脱してしまっているということ。

    (解答の実例)
    選択肢はすべて、

    「複数オニ」や「陣オニ」は、(A)の点で、(B)になってしまっているということ。

    というフォーマットになっています。異なるのは(A)と(B)のところだけです。

    (A)はどんな点で違うのか、(B)は従来の隠れん坊に、何か別の要素が加わったならプラス、本来持っていたものが失われたならマイナス、としました。

       (A)                (B)     合計
    (1)いくつのも役割を演じる[1]     プラス [2] [3]
    (2)捕まったもの助かる[2]       プラス [2] [4]
    (3)オニも捕まったものももとに戻る[2] マイナス[3] [5]
    (4)自由を制限する[1]         マイナス[3] [4]
    (5)隠れたものもオニに[1]       マイナス[3] [4]

    (A)については、(2)と(3)に共通点がありますので、ここには2ポイントずつ配点し、残りの選択肢の(A)はすべて異なっているので1回しか登場しないため、それぞれ1ポイントずつの配点です。
    (B)についてはプラスが2回、マイナスが3回ですから、(1)と(2)には2ポイントを、(3)(4)(5)には3ポイントを配点します。
     集計すると、もっともポイントを集めた(他の選択肢と共通する部分を最も多く含んだ)選択肢3が正解ということになります。




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    選択肢の裏技まとめ

    @津田秀樹『快法マークシート国語』(新声社,1986)、『三日で合格!誰も書けなかった公務員試験(秘)裏ワザ大全 : 国家1種・2種/地方上級・中級用』(洋泉社:2002年度版以降、各年度版が出版)


    *選択肢単体の判断
    常識的解答、良識的解答は ○

    次のような選択肢は×
    ・極端な表現
    ・限定されている
    ・否定的
    ・具体的
    ・付加部分
    ・共通性を指摘
    ・問いに対応していない
    ・矛盾している
    ・わけのわからない
    ・くだらない、難しい
    ・現状評価
    ・正論過ぎる

    *選択肢単体を判断する考え方
    ・なぜそういう選択肢があるのか?
    ・その選択肢は×になれるか?→なれないなら○
    ・言葉のイミを考えてみる
    ・制度の趣旨を考えてみる
    ・具体的に考えてみる

    *選択肢の比較から
    ・話題の欠如してる選択肢は×
    ・グループ分け・・・グループ分けして、おおきなグループに○がいる
    ・同じ言葉…同じ言葉の出現率をチェック(他の選択肢との重なりを見る・より多くの選択肢と共通性があるのが○)
    ・対応・そのまま…本文そのままの選択肢は×、対応が欠けているのも×、そのままでなく対応していると○
    ・対立・共立…同じ内容の選択肢はどちらも×、対立する選択肢のどちらかが○
    ・含む・含まれる…含む方が○
    ・逆グループ分け…孤立した選択肢が○
    ・絡み合い…大×と共通点がある選択肢が○
    ・正解の性質…まぐれあたりはしないように地味なのが○

    *特殊問題
    ・組み合わせ問題
    ・文整序問題
    ・数学的問題


    @有坂誠人『現代文速解 例の方法』(学習研究社、1987)、『英語 例の方法』(ごま書房、1990)『古文例の方法』(ごま書房、1995)


    *例の方法1:正解を源にどんな不正解がつくられるか
     →同じ言葉、選択肢の一部がそっくり同じ
     →同義語、反意語、縁語、同音異義語
     →選択肢事態が素朴に持つプラスやマイナスのイメージ、文章の構造
     =>これらの点を見て、各選択肢とできるだけ多くの関連を持つ選択肢が正解
    *例の方法2
     ・極端に孤独な選択肢は正解
     ・もしこれが正解なら、出題者はどんな不正解をつくるだろうかを考える

    *実戦編
    ・完了形表現が1つならそれが正解、複数でもその中に正解がある
    ・日本語として不自然な選択肢は×
    ・暗いイメージの選択肢ほどあやしい
    ・並べ替えの最初と最後の選択肢は移動する
    ・選択肢に「むしろ」があったらマーク
    ・格助詞「と」が答えの鍵になる
    ・極端に風情の違う選択肢は正解
    ・空欄と正解の配列順序は比例しない
    ・○×式の問題では選択肢1は×
    ・ひらがなの選択肢群があれば一つは正解
    ・内容の意味ありげさが視覚に優先!
    ・順序を持つ選択肢からは正解が見える(正解の前後に選択肢がある/最初と最後は×)
    ・問題文の但し書きに答えが隠れている。
    ・出題者はうっかりホンネをもらす(?)
    ・傍線部もっとも近い選択肢は×
    ・論文の筆者の主張はエピソードにはない
    ・格助詞「は」が、しばしば真実を語る
    ・記述式問題の制限字数で「答え」はわかる

    *他科目への応用例(『現代文速解 例の方法』)
    ・漢文
    ・英語
    ・世界史
    ・日本史
    ・物理
    ・化学



    @プラディーブ・クマール『魔法のヴェーダ数学が導く インド式速解術』(プラディーブ・クマール、2007)

    の「絞り込みの技術」
    1 「絶対」や「すべて」を意味する言葉が入っている選択肢は間違い
    2 突拍子もない選択肢やまったく関係ない選択肢は間違い…正しくても無関係なら間違い
    3 複数の選択肢が同じことを言っている場合は、どちらも間違い
    4 3つ以上の選択肢が同じテーマを違った各度から扱っている場合、そのうちのどれかが正解…選択肢を3つも無駄使いしない
    5 2つの選択肢に音の似た言葉が含まれている場合、どちらかが正解
    6 極端な選択肢が2つある場合はどちらも間違い
    7 ある問題の答えがほかの問題文に書いてある場合がよくある
    8 まったく手がかりがない場合、四択であれば3番目の選択肢を選ぶ
    9 上記のどれにも当てはまらない場合は、
     a 問題文の中に当てはめてみて、もっとも自然な文章になる選択肢を選ぶ
     b 文法的に正しい選択肢を選ぶ
     c 出題者の言葉のくせを見抜く
     d 長い選択肢を選ぶ
    10 選択肢から問題へと逆算して間違いを削る
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