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    結論から先に述べ、次第にどうでもいい話へ進んでいく。

    (0)進路その他で履修済であることを要する言語がある場合は、考える必要がない。
     次に述べる程度の時間の浪費で済むなら、時間経済的である。

    (1)第2外国語に何を選ぼうと90分×20回(16~30回)=合計30時間(24時間~45時間)で身に付く外国語なんてない。
     だから何を選んでも語学力という点では無意味である。

    (2)数学を「第1言語」とする諸領域では、プログラミング言語を「第2外国語」にすればよい、というか、すべきである。
     これなら自然言語に比べ短い時間で効果が出なくもない(だが、現実はいろんな理由で、そうなっていないので、自分でやるしかない)。
     IT土方になるためではなく、コンパイラをゼロから作って威張れという話でもなく、自分のアイデアをモデリングしてあれこれ動かしたり、データ処理のツールを改造できたり、場合によっては自作できたりする方が(結局、優秀なおしきせソフトを使うことになっても)絶対に良い。
     今、仕様をつめているHumanities 1.0にはデフォルトで入れる予定。

    (2’)ついでにいうと論理学も、一階古典述語論理の完全性定理までは、同じくデフォルトで。

    (3)多くの大学で、語学を一緒に学ぶ集団だけが、高校まででいう「クラス」に該当する。引き続きクラスという人間関係で息をつぎたい人たちは、同じような連中が選ぶような言語を選ぶと良い。
     100年くらい前にはドイツ語が大変多かった(なにしろラッセルもパーソンズもドイツに留学したのである。ルーマンはそのドイツからパーソンズのところに留学にやってきたのだが)。
     今でも学校によっては5割近くがドイツ語を選ぶらしい。
     フランス語人気もそれに負けず劣らず。
     ちなみにドイツ語は最初は英語との共通点が感じられるが(基礎語や基礎文法など)、先へ進むほど英語から離れていく(言語の歴史から言えば、英語の方が離れていったのだが)。
     フランス語は最初は発音で苦労するが、先へ進むと英語との共通点(難しい単語など)が目に付くようになる(言語の歴史からいえば、英語が近づいていったのだが)。
     逆に変人と付きあいたいなら、マイナーな言語を選ぶと良い。

    (4) (続き)もっとも同年代集団からの承認を得ることに中毒になっている人は、そもそも外国語習得の点では不利である。
     古典ギリシア喜劇にも登場するが、基本的に「外国語をしゃべるやつ」は嫌われキャラだ(よくて敬して遠ざけられる)。
     そして外国語習得についての研究が示すとおり、外国語の上達には、どのような学び方をするよりも、どれだけの動機づけを持っているかの方が大きく影響する。
     集団圧力を中和ないし無化できるだけのリソースのある人、はたまた元々集団圧力のかかる外にいる/追い出されている人は、高い動機付けを維持しやすい。
     語学を身につけたいなら、最初からあいつは違うと言われる「高貴な家」に生まれるか、さもなくばキモヲタになれ。

    (5)第2外国語はなるべく楽なのにして、その分の時間を他に振り向けろ、という人もいる(そこまで言うなら、学生同士時間を食いつぶし合うサークル活動等についても再考すべきだ。「これから大学に入学する新入生のために - インテリすもうとりあるいは童貞研究家 これから大学に入学する新入生のために - インテリすもうとりあるいは童貞研究家 このエントリーをはてなブックマークに追加」が(選書はともかくとしても)参考になる)。

     べたな日本語ネイティブ・スピーカーが、もっとも楽に学べるのは、語順が同じで、漢字語として共通の語彙が実はたくさんある韓国朝鮮語である。
     ハングルを越えれば、あとは下り坂。
     第2外国語の単位をとるレベルなら中国語がその次くらい。
     中国語学習には二つのトラップがある。
     ひとつめは最初に学ぶべき発音。
     ふたつめは、最初のうちは楽勝に思えるのに、学べば学ぶほど消えていく(ように感じられる)文法である。

    (5’)しかし、ひとつのプログラミング言語だけしか知らない者をハッカーと呼ばないように、英語しか知らない人を語学ができるとは言わない。
     とある極右の哲学者は、「ドイツ語、フランス語しかしらない者はSS20で、古典語を知る者はICBMで武装しているようなものです」とわざわざ旧ソ連の中距離ミサイルを引きあいに出して語っていた。

    (6)大陸系の哲学の古典的研究がやりたいという稀有な人には、英語とドイツ語とフランス語とラテン語と古代ギリシア語が必要、といったように研究分野によって必要とされる言語はいろいろである(たとえば科学史なら、上記の5つにアラビア語が付け加わる)。
     古典語は、第2外国語にない。学部によってはとりづらいことも多いが、その時は独学でやる。というより、独学でできない人は、多分、古典語の授業についていけない。

    (7)「やっておくと有利な外国語」という神話はいろいろあるが、第2外国語の目的は言語の習得ではなく、大学教員の言語多様性を守ることなので、あまり関係ない(参考:女教師ブログ - なんで第2外国語やるの? 女教師ブログ - なんで第2外国語やるの? このエントリーをはてなブックマークに追加)。
     また神話というくらいで、基本的にはウソである。
     国際情勢の変化で扱いが一変する悲哀は、ロシア語という例がある(新作テレビ講座は消えたが、昔は結構な人気があったのだ)。
     おフランス系の「現代思想」の輸入産業は、その前のサルトル・バブルの後遺症であった過剰フランス語人口を食わせるための「ダム工事」だったというフォークロアもある。
     今は中国語バブルであるが、中国人が英語を学ぶ方が、日本人が中国語を学ぶよりも速くて多い。



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