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     KJ法には、一望する、並べ替える、突き合せる、名付ける、という知的作業の4エレメントがすべて含まれている。

     だが、なかなか使いこなすまで行く人は少ない。
     やってみたことはあるけれど、平凡な結果に終わったという経験が、多くの人にあるのではないだろうか?


     KJ法を説明することは、「なぜあなたがやるKJ法はうまく行かなかったか」を説明する事に、ほとんど等しい。


     一番よくあるのが「分類という病」だが、あるファシリテーターは「分類」をたしなめるのではなく(そうするとかえって「治療抵抗」が引き起されるだけなので)、あえてさらに「分類」に追い立てる事で、この罠を抜けるところまで持っていく。病気の経過を速度を上げて通り抜けさせるところなど、なかなかおもしろい。

     ワークショップ形式でやる場合、参加者に持って来てもらうのは、ジュースの空き缶。とりあえず1グループ100個くらいは欲しい。

     最初は細かい指示も暗示もせずに、とにかく「分類」してみてください、と言う。

     まず最初の「症状」として出るのが、「中身による分類」。
     コーラ、オレンジ、炭酸飲料、100%果汁、などなど、孤立したグループがいくつもできあがる。

     これに対応するのが、表面的な共通項でグルーピングしてしまうことだ。
     料理にたとえると、「いろんな肉」「いろんな魚介類」「いろんな根菜」「いろんな果物」といった,孤立したグループができることになる。当然ながら、同種の素材を束ねても料理にならない。無理矢理やってしまうと悲惨なことになる。「料理」はむしろ、異なるカテゴリーから材料を選んで来ないと成立しない。

     しかし、親切な解説はここでは入らず、「じゃあ,今とは別の分類をやってみてください」という指示が出る。

     困って来ると、さらに表面的な「分類」が登場してくる。
     いわば「熱が浮いて来た」段階。
     「赤っぽい色の空き缶」「黒っぽい」「緑色系」と、缶の表面の色で、分類するグループがぼちぼち現れる。
     これは一見「退行」が進んだかに見えるが、表面への着目は、次のステップへの手がかりになる。

     次の段階で、こんな指示が出る。
    「じゃあ、試しに、若者っぽい順番に並べてみて下さい」
    ???若者って何?
    「年齢順ってことです。これは若者向けだな、いやこっちの方が若いだろ、と順番をみんなで考えて、並べてみてください」

     四苦八苦しながらやり終えると、「分布」を眺めてみてくれ、と指示が出る。
     さっきの(一見無駄に見えた)「中身での分類」や「色での分類」が、ここ来て生きてくる。
    「若い方へいくほど、なんかデザインが直線っぽい、というか機械っぽい」
    「年齢が上がって行くと、甘いのが減って行くな」
    「お茶とかね。缶の色も濃淡のグリーンとか、そういうのが多い」
    「ちょっと簡単に、年齢を横軸に、カロリーのグラフをつくってみたんだけど」
    「結構山あり谷ありだな。単純に若いと高カロリーとは言えんね」
    「でも、なんかパターンがありそうだけど」

     中身→パッケージ→消費者(という人)へと、焦点が移動して来ている。
     
     ここまで来ると、もう一度、
    「空き缶でグループをつくって見て下さい。小さいグループからはじめて、最後は全体で関係が見えて来るように」

     ここまで来ると、それぞれユニークな視点でのグループ作りができて、最後は全体でストーリーが描けるまでになっていく。

     この作業の途中か、終わってから言うかは、その場のノリと「進み具合」によるが、次のようなインストラクションが入るときもある。

     「今日は空き缶をつかってKJ法をしてもらってますが、これらは、もともとは空き缶じゃなくて、ジュースという商品のパッケージです。どれだけ売れるかは味もさることながら、パッケージによるところが非常に大きいのがソフト・ドリンクで、メーカーはものすごい数のデザインを作っては、何度も繰り返しモニターの意見を聞いたりアンケートを取ったり、すごい時間と知恵とコストを掛けて、パッケージを作っていきます。
    『空き缶=捨てられたもの=タダ(無料)』と思って眺めていたら見えなかった、そんなものが見えるようになって来たのは、みなさんもこれを誰が飲むのか、というレベルまで見ようとしたからじゃないですか?
     中身は無くても、空き缶のパッケージはすごい知恵と努力が込められています。それをいくらか読めるようになってきたんじゃありませんか?」




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    ……前作『発想法』を出して、返って来たフィードバックを下に書いているこちらは、「やってみたけど、いまいちだった」という人がまず見るべき本。


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