自分が知りたいことを「キーワード」に変換してからの調査/探索のやり方は、次の記事に書いた。
     
    Googleで片付かない捜しものチートシート 読書猿Classic: between / beyond readers Googleで片付かない捜しものチートシート 読書猿Classic: between / beyond readers このエントリーをはてなブックマークに追加

     問題は、「素朴な疑問」を「キーワード」にできない人(場合)である。

     多くのデータベースは、そして辞書や事典の索引などは、「キーワード」志向になっているので、問いをそのままの文で入力しても、あまり相手にしてくれない。
     つまり、本来は、自分で問い(疑問文)を、キーワード(ぶっちゃけ名詞に)変換する必要がある。

     これは、できる人、普段からやっている人にとっては「なんでもない」当たり前ことだが、そうでないひとには、かなり「とんでもない」ことである。
     

     実は、自分でやらずにすます解決策は、ものすごく身近なところにある。


     たとえば「ちびくろサンボは何故発禁になったのか?」(実際は出版社の自主回収)などと、疑問文をそのままgoogleに入力して検索すればいい。
     情報としての確かさは、それぞれ吟味しなければならないけれど、手がかりになりそうなサイトが見つかることは見つかる(一番最初に来るのがウィキペディアだったりするが、参考文献を挙げている項目なので)。

     だが、図書館の検索システム(OPAC)で同じことをしようにも、まず文章を受けつけてくれそうな検索項目がない。
     仮にも図書館で検索システム(OPAC)を使おうなんて人は、普段インターネットで検索エンジンを当たり前のようにつかっているので、OPACにもgoogleにできることを期待しがちなのだそうだ(種市淳子, 逸村裕「エンドユーザーのWeb探索行動:短期大学生の実験調査にもとづく情報評価モデルの構築」『Library and Information Science』No.55,2006.)。そしてOPAC 2.0は確実にそっちの方向へ進化するだろう。
     無理もない話だが、今のところ、無理なものは無理だ。

     あなたがレポートの〆切りなどで、とても急いでいるのなら、OPACに対して呪いの言葉を投げつけるより、googleに自分の疑問をぶつけてみて、ヒットしたサイトからキーワードを拾い上げるという迂回路をとった方がはやい。運が良ければ、上のように、ちゃんと参考文献を上げたサイトがみつかるだろう。

     またgoogleほどではないが、Webcat Pulsの連想検索 http://webcatplus.nii.ac.jp/は、ある程度なら、問いをそのままの文で入力しても、反応してくれる。
     クズ情報を間引く手間がいくらか楽なので、第一選択はWebcat Pulsの連想検索がよいかもしれない。質問はシンプルな方がいいようだ。

     これでダメなら、グーグル先生だ。
     

     さっきの「ちびくろサンボは何故発禁になったのか?」でWebcat Pulsの連想検索をやってみよう。

    1.サンボ : ユーラシアに生まれた格闘技 (43)
    古賀徹著 -- 東洋書店, 2006.10, 63p. -- (ユーラシア・ブックレット / ユーラシア・ブックレット編集委員会企画・編集 ; No.99)
    2.発禁本曼陀羅 (28)
    城市郎著 -- 河出書房新社, 1993.9, 303p.
    3.『ちびくろサンボ』絶版を考える
    径書房編集部 編 -- 径書房, 1990.8.10, 266,11p.
    4.「ちびくろサンボ」が焼かれた : 長野市における「ちびくろサンボ」廃棄依頼問題資料集 (17)
    図書館問題研究会長野支部編 -- 図書館問題研究会, 教育史料出版会 (発売), 1991.6, 149p.
    5.ちびくろサンボ (1)
    宮川やすえほか文 ; 小野木学ほか絵 -- 講談社, 1967.1, 84p. -- (世界の名作童話 : ワイドカラー ; 6)
    6.童謡とドレミファ童話 : ちびくろサンボ (1)
    -- 世界文化社, 1969.10, 30p. -- (ドレミファブック ; 6)
    7.ちびくろサンボよすこやかによみがえれ (180)
    灘本昌久著 -- 径書房, 1999.5, 266p.
    8.これがサンボだ! (11)
    -- 増補版. -- ベースボール・マガジン社, 1998.3, 206p.
    9.これがサンボだ! (18)
    ビクトル古賀著 -- ベースボール・マガジン社, 1986.6, 172p.
    10.定本発禁本 : 書物とその周辺 (96)
    城市郎著 -- 平凡社, 2004.4, 477p, 図版 [8] p. -- (平凡社ライブラリー ; 497 . offシリーズ||off シリーズ)


     ロシアの格闘技サンボに関する本も表示されるが、疑問に関わりのありそうな本もちゃんと出る。

     10冊中、3,4冊にチェックをいれて、連想検索をやってみよう。
    (ここでは、3.と4.と7.にチェックを入れてみた)

     ただし、こんどは検索結果は100冊と増やしておく。
     使えそうな文献が、30~40件目あたりに出てくることもめずらしくないからだ。

    (今回の場合だと、

    24.研究論文 : 幼児教育における人種差別意識形成の防止の研究 :「ちびくろサンボ」の是非をめぐるイギリスの論争 (1)
    佐藤実芳著 ; その1 -- 名古屋大学, 1989, p11-21.
    27.隠れた教材としての『ちびくろサンボ』 : 英国、アメリカ合衆国、日本における受容と評価について (1)
    戸田山みどり [著] -- [出版者不明], [2005.3], 191, xlviii枚.
    28.「ちびくろサンボ」問題を考える : シンポジウム記録 (168)
    日本図書館協会図書館の自由に関する調査委員会関東地区小委員会編 -- 日本図書館協会, 1990.8, 68p.
    49.絵本『ちびくろサンボ』が問いかけるもの (1)
    乳幼児発達研究所[編] -- 乳幼児発達研究所, 1989.7, 40p. -- (子育てブックレット ; no.2)
    60.日米関係におけるエスニシティーの要素 (63)
    -- 総合研究開発機構, 全国官報販売協同組合 (発売), 1995.3, ix,177p. -- (NIRA研究報告書 = NIRA research report ; No.940052)


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      サンボ
      差別
      黒人
      絶版
      人種
      問題
      部落
      Sambo
      アメリカ
      ビクトル

     見つかった本とともに、これらキーワードもかならずメモないしコピペしておくこと。
     ここで捕まえたキーワードは、図書館のOPACをはじめ、様々なデータベースでも使える可能性が高い。

     なお、Webcat Plusは、2010年6月半ばにリニューアルを予定している
     リニューアル後のWebcat Plusは、改めて。
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