問うこと、疑問を持つこと、質問することは、みな大切だ。
     しかし、自らの問いに自ら答えを見つけた《成功体験》がないと、問う心は萎んでいく。

     問いは、身の丈にあったもので十分。せこくてもいい。

     寺田寅彦は、現有知識の突端で問うことと、誰もまだ問うたことのない問いを立てること、その両方ができて碩学と言えるのだと言ったけれど、そんなものはまだ先でいい。

     今は、そのへんの「なぜなに君」で十分だ。

     しかし「なぜ?/なに?」というシンプルな質問の中でも、答えにたどりつけないものは多い。
     そもそも答えなんでありような無い問いもたくさんあるのだ。

     しかし「答えなんでありような無い問いもたくさんある」ことも、自分で見つける必要がある。

     いくらか手を貸せることがあるとしたら、
    《質問》を変換すると答えが見つけやすい
    とこっそり耳打ちすることぐらいだ。


    「何? What?」の問いは、究極には定義を問う。

     もし、自分が書いた文章の中で、まだ誰も知らない(あるいは、あまり知られていない)言葉を使うつもりなら、読者の「それ何?」という問いに答えておく必要がある。

     この場合は、下記のように、質問も変換する。


    これは何か?
      ↓
    これは何の一種か?+他とはどこが違うのか?
    (共通性)+(差異)
      ↓
    これと似ているものは何か?+どこが新しいのか?
    (共通性)+(差異)




    「何故? Why?」の問いは、究極には原因を問う。

     因果関係を追い掛ける、まだほんの入り口だ。
     けれど、入り方次第で、その追跡は迷宮入りするか否かが決まる。
     実のところ「何故?」は、さらにさらにと、どこまでも追い続ける問いだ。
     
     しかし実用的には、どこかで止まらなければならない。
     「何故? Why?」は、「どんな場合/条件なら?」と変換するとよい。
     きっぱりと「起こる/起こらない」が分かれなくても、事態が生じる比率の差があれば(有意なら)、まだなんとか、追い掛けることができる。


    こうなるのは何故か?
      ↓
    どんな場合に、こうなるのか?
    (四分割表)
    起こる
    (燃える)
    起こらない
    (燃えない)
    条件あり
    (酸素あり)
    ×
    条件なし
    (酸素なし)
    ×
      ↓
    それぞれの場合に、どれくらい生じるのか?
    (クロス集計)
    起こる(生存)起こらない(死亡)
    条件あり(投薬した)80%20%
    条件なし(投薬なし)30%70%









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