こころの健康についての疫学調査に関する研究は、WHOの主導する国際的な精神・行動障害に関する疫学研究プロジェクトである世界精神保健(World Mental Health, WMH)調査に参画し、複数の調査地域から無作為に抽出した合計4,000人以上の国民の代表とみなせるサンプルについて、こころの健康やその関連要因・危険因子等についての構造化面接を実施し、精神障害(気分,不安,物質関連障害)の有病率、社会生活への影響等を明らかにしようというものである。
     平成14-18年度に調査が実施された6県11市区町における地域住民からの無作為抽出サンプルに対して,当初予定の4千人を上回る合計4,134名(平均回収率55.1%)の面接データが収集された。

    (サイト)
    こころの健康についての疫学調査に関する研究ページ
    http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/epi/



     次の表は、平成18年度「こころの健康についての疫学調査に関する研究」分担報告書2 『特定の精神障害の頻度,危険因子,受診行動,社会生活への影響』
    http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/epi/Reports/H18WMHJR/H18WMHJR03.pdf

    からの抜粋である。

      生涯有病率 12ヶ月有病率
      合計 男性 女性 合計 男性 女性
    パニック障害 0.84 0.75 0.94 0.41 0.18 0.63
    全般性不安障害 1.80 1.36 2.24 0.86 0.58 1.12
    社会恐怖 1.43 1.80 1.07 0.65 0.86 0.44
    特定の恐怖症 3.35 2.75 3.93 2.26 1.72 2.79
    パニック障害の既往歴のない広場恐怖 0.17 0.09 0.25 0.10 0.05 0.16
    外傷後ストレス障害 1.35 0.47 2.22 0.64 0.07 1.19
    いずれかの不安障害 9.21 8.00 10.40 5.50 4.41 6.57
    大うつ病性障害 6.16 3.84 8.44 2.13 1.17 3.08
    気分変調性障害 0.72 0.35 1.08 0.32 0.20 0.44
    双極性障害(I型) 0.08 0.10 0.06 0.03 0.00 0.06
    双極性障害(II型) 0.13 0.11 0.16 0.09 0.07 0.12
    いずれかの気分障害 6.52 4.09 8.90 2.30 1.24 3.33
    間欠性爆発性障害 2.07 2.90 1.26 0.73 0.86 0.60
    アルコール乱用(依存の有無問わず) 8.39 13.35 3.54 1.36 2.18 0.56
    アルコール依存(乱用あり) 1.24 1.88 0.61 0.32 0.39 0.25
    薬物乱用(依存の有無は問わず) 0.23 0.26 0.20 0.04 0.00 0.08
    薬物依存(乱用あり) 0.04 0.05 0.03 0.01 0.00 0.03
    いずれかの物質関連障害 8.45 13.35 3.67 1.46 2.34 0.61
    いずれかの精神障害 24.21 26.48 22.00 10.00 8.77 11.20
    2つ以上の精神障害 7.40 7.87 6.88 2.20 1.82 2.57
    3つ以上の精神障害 2.15 2.16 2.15 0.86 0.70 1.01
                              数字はパーセント。

    (出所:平成18年度「こころの健康についての疫学調査に関する研究」分担報告書2 『特定の精神障害の頻度,危険因子,受診行動,社会生活への影響』から、表1 世界精神保健(WMH)日本調査最終データによるわが国の不安、気分、物質使用障害の生涯および12ヶ月有病率)


     いずれかの精神障害の生涯有病率は24.2%,12ヶ月有病率は10.0%,大うつ病の生涯有病率は6.2%,12ヶ月有病率は2.1%であることがわかる。

     つまり一生のうち4人に1人が,また過去1年間では10人に1人が,何らかの精神障害(DSM-IV診断による気分・不安・物質関連障害)を経験していた。





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