フィンランド語で「何故why」は、ミクシィ(Miksi)?という。

     フィンランドの小学校では、先生も生徒も、Miksi?をよく使う。連発する。

     たとえば先生が教室のみんなに質問する。みんなは手を挙げる。じゃあ○○君。
    「答えは………です」
    先生はもちろんこう畳み掛ける。
    「Miksi(どうして)?」
    「なぜなら~~だから」
    生徒たちも負けてはいない。
    「Miksi(どうして)?どうして~~だと………だと言えるの?」
    「それは……」

     先生の質問に答えるのですらこんな具合だから、「自分の意見」を言う機会だとさらにMiksi?は連発される。
    「ぼくは~~だと思います」
    「Miksi(どーうして)?」
     こうして、自分の意見には、理由を付け加える習慣がつくられ、ただの「思いつき」は排される。

     物語(おはなし)をつかった練習も行われる。
     先生は物語を途中で中断して「この次はどうなると思う?」と尋ねるのだ。
     生徒はみな思い思い予想して,答える。
    「次は………になると思う」
    「○○が~~すると思う」
     そしてここでも、先生が,違う班の子供たちが、
    「Miksi(どーうして)?」
    と声をあげる。
     予想にも当然、理由や根拠が必要なのだ。しかも説得力のある理由が。

     理由を述べるフォーマットは、次のようになっている。
    (1)意見
    (2)なぜなら(理由1)
    (3)それに(理由2)
    (4)また(理由3)
     たったひとつの理由だけでは許してもらえない。物事の様々な面を見ないと、複数の理由、多面的な根拠は得られない。

     物語を題材にしたトレーニングには、さらにこんなのもある。
    「登場人物はどんな気持ちだった?」
     みんなは登場人物の気持ちになってみる。そして発表する。
     ここでも「Miksi(どーうして)?」の嵐が吹き捲くる。
     気持ち/感情の理由・原因を考えなければならない。

     これらの登場人物の気持ちを理由・原因こみで予想するのトレーニングは、人間関係のトレーニングでもある。
     そして学年があがってディベートを行うときには、
    「相手の立場にたって、相手の主張を使ってくる根拠こみで予想する」といった具合に応用される。

     フィンランドでは、国語の授業でこんなことを最初のうち、やるらしい。
     こういうのが,論理力の最初のトレーニング。




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