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     速く覚える人(ファスト・ラーナー)とゆっくり覚える人(スロー・ラーナー)とでは、どちらが忘れやすいのだろうか?

     古い、せっかちな実験では、断然ファスト・ラーナーの方が成績がよかった。
     スロー・ラーナーの方が、ファスト・ラーナーよりも「忘れっぽい」とされた。

     「頭のいい奴より、頭の悪い奴の方が、忘れっぽいのは当然だ」と人は思うかもしれない。
     いわば通念に合った結果が出た、という訳だ。


     しかし、じっくり時間をかけると、スロー・ラーナーも、同じだけ覚えることができる。
     時間あたりの覚える量は、ファスト・ラーナーの方が、スロー・ラーナーよりも多い。

     そこで忘却を左右するのは、「覚える速さ」ではなく「覚えた量」なんじゃないか、という仮説が登場した。

     記憶に要した時間は問わないで、覚えた量をファスト・ラーナーとスロー・ラーナーとを同じにして、忘れる速さを計ってみた。
     すると、ファスト・ラーナーとスロー・ラーナーとで、忘れっぽさは同じだ、という結果が出た。

     さらに「覚えた量」をいろいろ変えて実験した。
     すると、ある程度までは、たくさん覚えれば覚えるほど、忘れる速さは落ちていく。つまり、忘れっぽくなくなる、ことが分かった。

     複数の理由が考えられるけれど、より多く覚えた方が、記憶されたものの間のネットワークが密になって、忘れにくくなる。


     覚えやすいように、フラスコの比喩で説明してみる。

    memory_beakers.png


     覚えることはフラスコに水を入れること、忘れることは水が蒸発することに喩える。
     条件が同じなら空気と触れている面積が大きいほど、蒸発は進む。
     そしてフラスコの形状は真横から見ると三角形であり、首のところに来るまでは水が入れば入るほど、空気を触れる面積が小さくなるようになっている。
     首のところまで水が入ると、それ以上入れても、空気に触れる面積は変わらない。ある程度覚えると、それ以上は忘れる速度は下がらない、という訳だ。

     逆に、学びが少ないほど、忘れるのは速い。
     

    (文献)
    Underwood, B.J., 1964. Forgetting. Scientific American 210, pp. 91–99.

    Horton D. L., & C. B. Mills. 1984. Human learning and memory, Annual Review of Psychology, Vol. 35, pp. 361-394






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