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     科学批判なんてまだ誰も想像しなかった頃の(つまり黄金期とはそういうことだ)、1950年代の「サイエンティフィック・アメリカン」の記事を、科学実験マニアたちのためにまとめたもの。

     ちょっと内容をリストアップしてみる。

     反射望遠鏡……レンズ磨き(スピノザもやった)から駆動装置、「星を瞬きをとめる」装置まで
     人工衛星追跡法
     地球の電気を調べる法……地球を天然ヴァンドグラーフ発電機とみなす。大気の絶縁抵抗は200Ω、電気容量は0.25ファラッド、電離層(陽極)と大地(陰極)の間の電圧は約36万ボルト,これを応用した電気的天気予報装置(空電位を測って大気の状態を知る) 核現象をさぐるウィルソン霧箱
     手軽にできる原子粉砕器(!)……中古の冷蔵庫のポンプを使う
     ミリカンの油滴実験
     低速風洞の作り方……煙の風洞,台所の流しをつかった流体力学
     自家製静電起電機(ヴァンドグラーフ発電機、空き缶などをつかって5万~20万ボルトの電圧をつくる:あとで原子粉砕器につかう)
     ヒルシュ管
     「嫉妬深い夫」回路
     「宣教師」回路
     シャノンのマイクロマウス(CPUを用いないリレー式回路だけで迷路を脱出する)
     ……などなど。

     最後の方の「ヒルシュ管」というのが、「マクスウェルの悪魔」の工学的実現で、T字型に繋がれた管に空気を吹き込むだけで、一方から暖かい空気、もう一方からは冷たい空気が出てくるという代物。熱い方では最高180℃、冷たい方では-60℃が得られる。フランスがドイツ陸軍に占領中に、あるフランス人が発明したものを、ナチス・ドイツの物理学者ルドルフ・ヒルシュが改良し実用化したもの。作り方ははっきり明らかだが(この『アマチュア科学者』にも微に細に入り書いてある)、作動原理については今だ諸説が分かれている(んだそうだ)。
     
     前書きにこんなくだり。「イギリス科学史の初期の登場人物は、みんなアマチュアでした。冥王星を発見したのも、ビタミンB1を最初につくったのも、アマチュアでした」。
     ところで、J.S.ミルはどこかで「アマチュアというのは、everythingについてsomethingを知っている人、そしてsomethingについてはeverythingを知っている人」だと言っている。ここでは「愛好家」なんて気楽な訳語は使えない。まったくプロ(専門家)は楽だよ、いつだって「知りません(それは専門じゃありません)」と大いばりで言えるんだから。


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