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     幸福の心理学研究の文献によれば、幸福感の約50%、つまり半分は遺伝によって決っている。
     この結果は、長期に及ぶ観察やクロス・セクションな比較研究などに基づくものだが、そのうち最も重要なものは、双子研究である。一卵性では、遺伝子の類似性は100%、二卵性で50%である。このことと使って、環境や行動がもたらす効果と遺伝による効果とを分けることができる。

     幸福の半分が遺伝的に決定されることは、悲観すべきことだろうか?
     そうではない。あと半分残っている。
     それだけでなく、あとの要素についての研究結果は、我々をいくらか勇気づけてくれる。

     教育や収入や結婚しているかどうかといった、すぐには変えられない環境は、わずか10%しか幸福感に影響を及ぼさない。対して自分が何をやるかといった意図的行動には40%もの寄与率がある。
     つまり、こういうことだ。自分が幸福だと感じることは、どんな環境に置かれているかよりも、当人が何をするかの方にはるかに強く影響されるのだ。

     この辺のこと(だけじゃないけど)をまとめたサーヴェイ論文はこれ。

    Lyubomirsky, S., Sheldon, K. M., & Schkade, D. (2005). Pursuing happiness: The architecture of sustainable change. Review of General Psychology, 9, 111-131.
    http://www.psych.umn.edu/courses/fall06/macdonalda/psy4960/Readings/LyubomirskySustain_RGP05.pdf


     よりダイレクトに環境の変化(新車の購入や昇級)と、意図的行動(新しい趣味を始めた、等)が幸福に与える影響を比較した研究でも、環境の変化がもたらす効果が短期的なのに対し(人はそれに慣れてしまうのだ)、自ら動くことの方が幸福感は持続することが分かった。次の論文参照。

    Sheldon, K. M., & Lyubomirsky, S. (2007). Is it possible to become happier? (And, if so, how?) Social and Personality Psychology Compass, 1, 129-145.
    http://www.faculty.ucr.edu/~sonja/papers/SL2007.pdf



    いずれも著者のひとりLyubomirskyのホームページのPAPERS & PUBLICATIONSコーナーから、pdfファイルがダウンロードできる。
    http://www.faculty.ucr.edu/~sonja/papers.html


    Lyubomirskyが書いた一般書(ベストセラーだそうだ)はこれ。
    The How of Happiness: A New Approach to Getting the Life You WantThe How of Happiness: A New Approach to Getting the Life You Want
    (2008/12/30)
    Sonja Lyubomirsky

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    2012年にこの書の邦訳が出た。

    幸せがずっと続く12の行動習慣幸せがずっと続く12の行動習慣
    (2012/02/16)
    ソニア・リュボミアスキー

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    邦訳があるものでは、次の本(文庫になった)の1章にも彼女の研究の紹介がある。

    その科学が成功を決める (文春文庫)その科学が成功を決める (文春文庫)
    (2012/09/04)
    リチャード ワイズマン

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    HappinessPieGraph.png


    幸福の研究を含む、心理学の新しい分野でPositive Psychologyというのがある。
    新しい分野だがOxford Handbookが出るくらいの蓄積はある。
    Oxford Handbook of Positive Psychology (Oxford Library of Psychology)Oxford Handbook of Positive Psychology (Oxford Library of Psychology)
    (2009/04/21)
    Shane J. Lopez

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    案内としては、
    ポジティブ心理学の展開―「強み」とは何か、それをどう伸ばせるか (現代のエスプリ no. 512)ポジティブ心理学の展開―「強み」とは何か、それをどう伸ばせるか (現代のエスプリ no. 512)
    (2010/02/12)
    堀毛 一也

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    ポジティブ心理学入門 幸せを呼ぶ生き方ポジティブ心理学入門 幸せを呼ぶ生き方
    (2009/07/24)
    島井哲志

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    実践入門 ポジティブ・サイコロジー 「よい生き方」を科学的に考える方法実践入門 ポジティブ・サイコロジー 「よい生き方」を科学的に考える方法
    (2010/04/02)
    クリストファー・ピーターソン

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    (A primer in positive psychology (Oxford University Press, 2006) の翻訳)
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