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    司書:何かお探しですか?
    学生:え?あ、すみません。……何を探していいかも分からなくて。
    司書:それは、お困りですね。どうされましたか?
    学生:来週までに書かなきゃならないんです。
    司書:レポートを書く課題でしょうか?
    学生:あ、はい、レポートを。……あの、こういう時って何から調べればいいんでしょう?
    司書:そうですね。科目は何でしょう?
    学生:あの、『現在社会論』っていって……。どう説明したらいいんでしょう?
    司書:テキストのようなものは指定されていますか?
    学生:いいえ。毎回、ドキメンタリー番組を見せて、先生が解説するような講義で……。
    司書:なるほど。課題のレポートですがテーマの指定は?
    学生:あ、はい。それが自由に決めていいんです。でも、それもどうやって決めたらいいか、わからなくて。……ただ文献をちゃんと調べて書くようにって。
    司書:それで図書館に?
    学生:はい。先生がまず行ってみて、自分の目で探すようにって。……す、すみません。
    司書:いえいえ。何かを探している方を手助けするのも、私どもの仕事です。そうですね、一から学ぶならば、この図書館にも何冊かレポートの書き方についての本があったはずです。しかし、何事にも時間に限りがある。レポートの期限は?
    学生:それが来週なんです。
    司書:では、早急に取り掛かった方がよさそうです。あなたが書きたいテーマを探してみましょう。
    学生:どうするんですか?
    司書:やり方はいろいろあります。たとえば……失礼ですが、新聞はお読みになりますか?
    学生:はい。一応、読んでます。
    司書:すばらしい。ご記憶に残っている記事があれば、そういったものも手がかりになります。
    学生:……いえ、特には。
    司書:では、新聞のコーナーへご案内しましょう。いつも読んでいるものとは違う新聞を選んでください。1面から順にざっとで結構です、目を走らせて、気になる単語を、見出しではなく本文から、抜き出してください。3つから5つくらいでいいでしょう。ノートはお持ちですか?
    学生:あ、はい。あの、でも、どうやって選べば?
    司書:ヒントを差し上げましょう。のちほど私に質問していただきます。質問は二種類、「○○はいつからあるのですか?」「××は、今後、どうなっていくのでしょう?」です。「○○」や「××」に入るような言葉を選んでください。時間をかけないのがコツです。10分後、またお会いしましょう。


    ==== ○ ○ ○ ====


    少年:先生、今の人は?
    司書:この近くの大学の学生の方です。課題のレポートを書くために来られたようです。S先生の授業をとっておられるようですね。
    少年:知ってる人ですか?
    司書:残念ながら面識はありません。しかし毎年、『現代社会論』のレポートを書くために来られる方が何人かおられます。
    少年:……大学の図書館に行けって言わないんですか?
    司書:まさか。ここは公共図書館です。これは誰のためにも開かれた図書館を意味します。確かに学術的な資料は十分ではありませんが、必要とする人なら誰でも読み調べることができる場所です。それに想像してみてください。「ここはあなたの来る場所ではない」と追い返すようなことを言っては、あの方は図書館とはそういう場所であり、図書館員とはそういう人間なのだと思うようになるでしょう。そう信じた人はおそらく、どんな図書館にであれ、自分から行こうとは思わなくなるでしょう。図書館のファンを減らすことが分かっているのに、そうした行動をとるわけにはいきません。それに……。
    少年:他にも何か?
    司書:ええ。私たちは誰も、誰かのところへ出掛けて行って、無理矢理本を読めだとか調べ物をしろと強いることはできません。私たちが支援できるとしたら、それは自分から図書館にやってきた人たちだけです。さっきの方は確かに、図書館で自分が何をすればいいのか知りませんでした。しかし彼女はやってきた。これだけで手助けする十分な理由になるとは思いませんか?
    少年:……。でも、やっぱり本当だったら大学の図書館へ行くべきだと思います。
    司書:それに気付くには、まず図書館に行ってみることが必要です。それこそ、自分の目と手と足で捜してみること。その上で、どこでなら、どんなものなら、手に入るのか見つけることができるのかを学ぶのです。……おや、戻って来られたようです。それでは、この先はあなたにお任せしましょう。
    少年:え、それはちょっと。
    司書:できるでしょう。〈彼女〉には内緒にしておきます。
    少年:そういうことじゃありません! それに、あの人が嫌がるじゃ……?
    司書:では、彼女に選んでもらいましょう。それなら断る理由はありませんね?


    ==== ○ ○ ○ ====


    司書:……という訳で、この後のことは彼に頼んであります。まだ若いですが、図書館と調べものについては十分な知識と経験があります。
    学生:あ、はい。じゃあ、お願いします。
    少年:ええっ!? ……わかりました。
    学生:……あの、3つも選べなかったんですが。
    少年:燃料電池、対面朗読……。
    学生:あの、どうでしょうか?
    少年:えーと、とりあえず、次の5つは最低調べます。

    1.Web検索 2.新聞 3.事典 4.関連図書 5.雑誌記事

    学生:でもネットで調べるのはダメだって言われて……
    少年:ネットで見つけたものをそのままレポートに使う人がいるからです。本を調べても同じ事をしたら同罪です。
    学生:でもネットの情報は信頼性が低いって
    少年:よくそういうこと言いますけど、紙の本だっていい加減なのはいっぱいあるし、ちゃんとした本でも間違ってることだってあります。だから確認しながら使うんです。
    学生:どうするんですか?
    少年:究極的には、書いた人がやったことを全部トレースできればいいんだけど。その人が使った情報源に遡ってひとつひとつ確認をとって、データの集計や実験やシミュレーションもやり直して……。そこまでは時間的にも、他の面でも無理だから、今日は図書館でできることだけやります。
    学生:それって?
    少年:図書館でできることって、つまるところ複数の資料や文献を集めて突き合せることだけなんです。でも、これだけでも結構分かることもあるし、本に書いてある間違いを発見したり直したりできたりもするんです。
    学生:5つ全部調べるんですか?
    少年:ぜんぶ図書館でできますから。学術論文は、大学の図書館の方がたくさんあると思いますけど。
    学生:そうなんですか?
    少年:ええ。順番にやりましょう。実は簡単な順なんです。
    学生:最初はネットですね。Yahooでいいですか?
    少年:ネットでは、日本語だと最低これだけは検索します。事典とか紙の本を調べる手間がいくらか省けますから。googleとyahooとbingは、まとめて検索できるところ(たとえばdogpile)を使ってもいいです。
    学生:「対面朗読」は大丈夫みたいですけど、「燃料電池」は中国のサイトばかりでてきます。
    少年:助詞を、たとえば「は」を加えると日本語サイト以外はだいたい除けますよ。


    燃料電池対面朗読
    dogpile=
     +google
     +Yahoo
     +Bing
    dogpiledogpile
    Yahoo百科Yahoo百科Yahoo百科
    ネットで百科  
    Metamedia
    辞書横断検索
    MetamediaMetamedia
    GeNii
    CiNiiCiNiiCiNii
    WebcatPlus一致WebcatPlus一致WebcatPlus一致
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