ある現状が続いている場合、何の力も働いていないことはなく、むしろ様々な力が均衡していると考える方が正しい。
     とすれば、前へ進むためには、プラスの力を追加したり上乗せするだけでなく、マイナスの力を減じるやり方も使えることになる。

     クルト・レヴィン(Kurt Lewin)の「場の理論:Field Theory」の「力の場の分析:Force Field Analysis」は、こうした発想に立った分析ツールである。
     よく使われるのは「うまくいっていない現状」について、「推進力」「抵抗力」をそれぞれ思いつく限り書き出し、それぞれの「力」の大きさを評価して、その釣り合いで現状を表し、「抵抗力」を減少させる方法や「推進力」を増加させる方法を考えていくものである。
     特に、抵抗があって変革が進まないケースなどに有用だとされる。

     この方法は、個人についても使える。
     変わろうとすれば、必ず変わるまいとする力を感じることになる。
     自分の中の「援軍」と「抵抗勢力」を書き出し、その力を評価しておくことは、セルフ・マネジメントという難しい仕事にもとても役に立つ。

     個人向けに、二通りのフォースフィールド図の書き方をまとめておく。


    (バランス型フォースフィールド図)

    1.紙の一番上に、中央に「現状」を、右端に「望ましい状態」を書く。
    2.紙の中央に縦線を引き、線の右側に「抵抗力」(望ましい状態の実現を妨げる力)を、線の左側に「推進力」(望ましい状態の実現する力)を、できるだけ多く書きだしていく。
    3.それぞれの「抵抗力」「推進力」の大きさをそれぞれ評価する。10段階評価で数字を書き入れてもいいし、矢印の長さで表してもよい。
    4.「抵抗力」「推進力」について、変えやすそうなものを選んで、いくつか◯を付けていく。また追加できそうな「推進力」を考えてもよい。
    5.変えやすいと選んだ「抵抗力」「推進力」それぞれについて、変える方策を書き、「抵抗力」がどれくらい弱まるか、「推進力」がどれくらい強まるか、(追加できる「推進力」の大きさがどれくらいか)を評価して、赤で書き入れる。

    FFA.jpg



    (アンバランス型フォースフィールド図)

    1.取り組もうとする課題を紙の一番上の中央に書く。
    2.課題についての、最高の状態(Bast Case)を紙の左端に、最悪の状態(Worst Case)を紙の右側に書く。
    3.紙の中央に、課題の実現を左右する要因や状況を、できるだけ多く書き出す。
    4.3で書き出した要因や状況それぞれについて、最高の状態(Bast Case)へ引っ張るものか、最悪の状態(Worst Case)へ引っ張るものかを判断し、現時点での引っ張る力の大きさを評価して×印を付ける。
    5.すべての要因・状況について、4の作業が済んだら、それらの力を平均した総合評価を、紙の一番下に引いた線の上に×印で表す。これで現状がどのあたりで均衡しているかが表示される。
    6.変えやすい要因・状況すべてについて、変える方策を考え、その方策をとったときの引っ張る力の向きと大きさを評価して、今度は赤い×印を付ける。これがすべて終わったら、もう一度すべての要因・状況を平均した総合評価を、紙の一番下に引いた線の上に今度は赤い×印で表す。これができるだけ最高の状態(Bast Case)側に来るように、さらに方策を考える。

    FFA2.png




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