物語の半分は、主人公の少女が、毎回その本をどう読んだのか------店主はそれを「ブックガイド」と呼ぶのだけれど------に費やされる。

     これがすごい。

     多分『読書猿』なんか束になってもかなわない。
     この読書感想マンガの感想を書くなんて、何度か書いては消ししたけれど、自分の実力ではちょっと無理だった。

     だが紹介はしたいと思っているので、あと少しだけ何か書く。



    草子ブックガイド(1) (モーニングKC)草子ブックガイド(1) (モーニングKC)
    (2011/09/23)
    玉川 重機

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     無口で人が苦手な本好きの少女。
     時が流れるというよりも降り積もっていくような古書店。
     その奥にたたずむ老賢者のごとき店主。
     おっちょこちょいの若い見習い。
     器量の良くない猫。
     静かに話し始めそうな背の高い本棚。
     
     ああ、それならば知っている、プレイス・オブ・マイ・ハートだ、と本読みのあなたならいうかも知れない。

     だが、この世界はどうやら、あの現実というやつと陸続きであるようだ。

     酒びたりで仕事もしない父親は、少女が本好きであることも知らない。
     母親は仕事を選んで家を出て、今では別の家庭があり娘がある。
     学校には居場所がなくて、生徒は学ぶことを、教師は教えることをあきらめていて、図書館は閑古鳥がないていて、司書教諭もほとんど望みをなくしていて、本はほとんど誰にも必要とされていない。

     本(わたし)は、ほとんど誰にも、必要とされていない。
     
     
     「------本好きは、世界で自分だけと思ったかい?」
     

     自分の不明を気付かせる言葉は痛い。
     本を読んでいると、ひとりで読んでいると、自分がいよいよひとりであると信じられるけれど、さめるには辛く甘美な思い込みだけれど、本を読むことはそのずっと先にも繋がっている。

     
     

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