あしながおじさん (フォア文庫)あしながおじさん (フォア文庫)
    ジーン ウェブスター,長 新太,Jean Webster,谷川 俊太郎

    理論社
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     主人公の女の子はそのうちに、小説家になったり、玉の輿にのったりするのだけれど、そんなことはどうでもよくて、「みなしご」ではなかったけれど、字を覚えるのだって遅かったし、それに一冊を読み切る根気をついぞ身につけなかったおかげで、ずっと本を読まなかったし、読めなかった自分には、これは「遅れてきた読書家」の物語なんだと思えてしまう。

     孤児院出身で、大きくなってからもそこで手伝いなんかしていて、外の世界を知らなかった(それに本なんて読む暇がなかった)女の子は、ひょんなことから、お嬢様な学校へ通うことになるのだけれど、そこで彼女は自分が「あまりになんにも読んでいない」ことに呆然としてしまうのだ(そしてそれは、本を読もうとする誰もの「呆然」ではないか)。
    「マザー・グース」も「デヴィット・コパフィールド」も「アイヴァンホー」も「シンデレラ」も「青ひげ」も「ロビンソン・クルーソー」も「ジェイン・エア」も「不思議の国のアリス」も……。

     利発な彼女のことだから、その「欠落」を取り返すべく、猛然と〈読み〉を開始するのだけれど(そして凡百のお嬢様方をかるく凌駕してしまって、学内誌に「作品」を載せるまでになっちゃうのだけれど)、それよりもなによりも、ドレスに心躍らせるのと同じくらい(いや、それ以上に)胸高鳴らせてページを繰り、スチーブンソンの物語のことを、あるいは「ねえ、ハムレットって読んだことありますか?」と、いちいち書き送る喜び一杯の彼女に心うたれる。このメールマガジンは何しろ「本の雑誌」なのだから、まずは本を読むのが大好きな彼女にご登場願おう。

     「わたしの愛読書ってなんだと思う?つまりたった今の。三日ごとに変わるんですけど」
    (「あしながおじさん」谷川俊太郎 訳)



    ルリユールおじさんルリユールおじさん
    (2006/09)
    いせ ひでこ

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    「そんなにだいじな本なら、ルリユールのところに行ってごらん」


    本好きの魂、わしづかみの一冊。



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