日本の英語教育が、文法・読解偏重だ、と今でも言う人がいるが、そんなことはない。
     ここ20年くらいの間に、英語教育はどんどん「コミュニケーション重視」になっていった。そして読み書きはもちろん、聞く話す力も、低下していったのが本当のところである。

     全体としては、そうなのであるが、サイレント・マジョリティである人たちは、そんなことなど気にしていない。

     気にしているのは、たとえば学者の卵と言うか、研究者という人たちである(この人達は文部省→文科省の影響の大きい公立校とは違うところで、学歴を経てきたケースが多いのかもしれない)。なんとなれば、研究者と言う商売は、多くの場合英語文献を読まないとどうしようもないからである。加えて、フォーマットにしたがって英語を書かなきゃならない人たちが大勢を占める。

     この人たちは、商売道具として、常日頃から英語に触れている。加えて言えば、自分が英語が読めるし、少しは書けるとさえ思っている。だから、誰かが話した英語が聞き取れないと危機感を覚えてしまうのだ。自分が話す英語に自信が持てなくて悩んでしまうのだ。
     しかも商売敵は、生まれたときから英語を喋っていたりする。国際的な集まりでは、英語が共通語だ。そういう危機的場面に遭遇する確率も高い。

     研究者はかなり忙しい。英語のレベルアップだけに注力する訳にはいかない。しかし英語ができるメリット、できないデメリットは、痛いほど身にしみている。

     では、(モチベーションを維持できるよう)自分が興味が持てる素材で、英語を聞きまくれば、事態は改善するのだろうか。もちろん、する、ただし、ゆっくりと。

     もし、あなたが、つづりと発音の関係、発音と口の中の様子(どこをどう動かして、何が振動して音になっているか)の関係を理解していないなら、あるいは一応は理解していても、耳に飛びこんできた音を口の中の様子にダイレクトに結びつけるほど熟知していないなら、そこの土台は作っておいた方がいい。
     舌の動きやあごの開き方が分かると、なぜある場合に発音が変化せざるを得ないかが、物理的に理解できる。
     そして当然のことながら、自分の発音も上達する。よくいわれることだが、
     結局のところ、自分で発音できない音は、聞くことができないのだ。
     
     第二言語として英語に接する人の多くが拾えている音は6割程度だと言われる。
     たった6割しか聞き取れなくても、語彙力と文法力を駆使して、推測しまくって、相手の話すことを理解しているというのが本当のところなのだ。
     これはネイティブ・スピーカーでも同じことで、だからこそデタラメ発音のあなたの英語は、教養ある大人には理解してもらえるが、子供達には理解されないか、厳しく発音の違いを指摘される。アメリカには、発音矯正のために、外国人嫁をキンダーガーデンでバイトさせる姑もいるくらいだ。

     上記は、いまさら言うような話でない気がする。
     下記も、いまさら紹介するのが恥ずかしいような、どれも有名な本だけど。




    大人の英語発音講座 (生活人新書)大人の英語発音講座 (生活人新書)
    (2003/09/11)
    英語音声学研究会

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     寝ながら学べる英語音声学。「授業書」の色合いが抜けてない音声学の教科書よりも、こちらの方が独習者向き。発音に関するほとんどの疑問が氷解するだろう。CDなどは付いてないので、必要ならつぎのものを併用する。



    ルミナス英和辞典―つづり字と発音解説ルミナス英和辞典―つづり字と発音解説
    (2005/10)
    竹林 滋斎藤 弘子

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     元々が辞書の付録なので、信頼性は折り紙付き。CD付き、フォニックスも含めて、この安さ。¥ 525。



    American Accent TrainingAmerican Accent Training
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    Ann Cook

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     アメリカ英語の発音を独学するなら最終兵器。CD5枚のトレーニング。ひとつひとつの単語を正確に発音するよりも、ポイントは抑揚とスピードだということが体に叩き込まれる。



    (サプリメント)
    Phonetics: The Sounds of English and Spanish - The University of Iowa
    「American English」をクリックすると、発音記号を選べば、その発音をする人を正面から見た口の形と動かし方がわかる動画と、口の中の動きがわかるアニメーション(気をつける箇所ごとに止めてみることもできる)を見ることができる。必見。
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